居酒屋業界の動向
居酒屋業界全体の動向は、外食産業全体の動向、ひいては日本の経済の動向に連動する傾向があります。
日本フードサービス協会が行っている外食産業の市場動向調査によると、居酒屋の店舗数は減少しているものの最近は下げ止まり傾向にあり、また客数や売上なども回復傾向にあります。
やはりこれは国内経済が上向きつつあることを物語っています。
今後も景気が徐々に上向けば、それに合わせて居酒屋業界の景気も上がっていくと思われます。
ただ、若年層のアルコール離れがあり、それが居酒屋離れにもつながっているために、好景気だったころのような勢いを取り戻すのは難しいだろうということで、居酒屋業界ではファミレスなどにアルコール類を提供するなど、新たな戦略を進めているところも少なくないようです。
居酒屋業界の売上高ランキング
平成27年から28年にかけての居酒屋業界の売上高ランキングで上位にランクインしている居酒屋は、全国でチェーン展開をしているのが特徴となっており、売り上げトップは約2800店もの店舗を展開しています。
また、他の外食産業などとM&Aを展開している会社も上位にランクインしています。
これは個人経営の小規模な居酒屋と比べると、全く新しい形の経営スタイルとなっています。
また、上位にランクインする居酒屋は単に規模が大きいだけでなく、調理の技術が高かったり、良心的な価格を設定していたり、サービスが充実していたりするなど、あらゆるところに企業努力が見られ、正社員として雇われている従業員の割合が高いお店も少なくありません。
居酒屋業界の今後
居酒屋業界の今後については、しばらく横ばい傾向が続くと予想されています。
ただ若年層のアルコール離れ傾向があることから、従来と同じことを続けていくのではなく、緻密にマーケティングを行ったり、非居酒屋事業にも目をむけていったりするような、新たな業態開発に着手していくことも重要になってくると考えられます。
たとえば、フランチャイズ制を導入していくことは有効と考えられます。
また、お客さんが望むサービスをいかに考え、それを導入していくのかということも重要です。
他店にはないユニークなサービスを考え出していく工夫が求められます。
その他のこととしては、従業員を安定して確保することも大きな課題です。
個人経営の小さな居酒屋であればともかくも、ある程度のサイズになると人手も必要です。
そのためにも収入もアップさせて、職場環境をより一層魅力的なものへと充実していくことが求められているでしょう。